Quotes

小説・映画・ゲームからの一節を記録
  • #Life is Strange 2 02

    いつか引退したら、メキシコに帰るかな。

    プエルト・ロボス、お前たちにも見せてやりたいよ。

    2023年02月28日 | game
  • #Pale Fire01

    これは彼がラングトン氏に話した滑稽な話、つまり良家の出のある若い紳士のあさましい状態についての話を思い起こさせる。「この前あの若い紳士の噂を耳にしたとき、その紳士は猫に発砲しながら町を駆け回っていたそうですよ」それから一種心地よい夢想に耽りながら、彼は自分の愛猫のことを思い出していた。そしてこう言った。「でも、ホッジを撃っちゃいけない。いや、いや、ホッジを撃っちゃいけない」

    ージェイムズ・ボズウェル『サミュエル・ジョンソン伝』

    2023年02月11日 | fiction
  • 『ロリータ』と題する書物について

    『ロリータ』は読者ひとりひとりによって姿を変える小説である。

    淫らな少女愛を綴ったエロティックな小説を期待して読む人もいるだろう。さまざまな文学的言及や語りの技巧に満ちた、ポストモダン小説の先駆けとして読む人もいるだろう。話の内容はさておき、絢爛たる言語遊戯こそがこの小説のおもしろさだと考える読者もいるだろう。あるいはとんでもない大爆笑のコミック・ノベルとして読む人もいるだろう。アメリカを壮大なパノラマとして描いたロード・ノベルだと読む人もいるかもしれない。狂人に人生を奪われた不運な少女に涙する読者もいるかもしれない。伏線がいたるところに張り巡らされた探偵小説だと読む人もいるかもしれない。あるいはアメリカの一時代を活写した風俗小説だと読む人もいるかもしれない。

    しかし、ここであえて言うなら、『ロリータ』の本当に凄いところは、そうしたすべての要素を含んで一つの小説にまとめ上げている点にある。そして、物語の筋書きを追って楽しむ読者にも、顕微鏡で見るように細部を点検して楽しむ読者にも、『ロリータ』が提供してくれる喜びはかぎりがない。

    2023年02月11日 | fiction
  • #Lolita50

    高い崖からその音楽的な振動に耳を傾け、控えめなつぶやき声を背景にして個々の叫び声が燦くのに耳を傾けていると、私にはようやくわかった、絶望的なまでに痛ましいのは、私のそばにロリータがいないことではなく、彼女の声がその和音に加わっていないことなのだと。

    2023年02月11日 | fiction
  • #Lolita49

    エド、おまえも運が悪かったなあーこれはG・エドガー・グラマーという男の話で、この三十五歳になるニューヨークの会社の専務は、三十三歳の妻ドロシーを殺害したかどで起訴されたばかりだった。完全犯罪を狙って、エドを棍棒で殴り、車の中に運び入れた。事件が明るみに出たのは、結婚記念日のプレゼントとして夫から贈られた、グラマー夫人の青い大型ライスラーの新車が猛スピードで丘を下ってくるのを、パトロール中の二人の群警官が目撃したからで、その丘はちょうど管轄区域内をぎりぎりのところにあった。

    車は電柱を横殴りして、野木草や野苺や雉蓆で覆われた土手を駆け上がってから横転した。警官がG夫人の死体を運び出した時、車輪はまだやわらかな日射しの中でゆっくりと回転していた。

    2023年02月11日 | fiction
  • #Lolita48

    通りのむこうをもう少し先に行ったところで、ネオンサインが我が心臓よりも二倍ゆっくりと瞬いていた。

    レストランの看板の輪郭になっている、大きなコーヒーポットが、一秒おきくらいにエメラルド色の命に沸き上がり、またそれが消えるたびに、「おいしいお食事」と書かれたピンクの文字が後を引き継ぎ、それでもまだポットの形は隠れた影として見分けることができて、次のエメラルド色の復活まで目を楽しませてくれるのである。

    2023年02月10日 | fiction
  • #Lolita47

    やがて日もくれてゆき、私は霧雨の中を走っていて、フロントガラスのワイパーも大車輪で活躍したが、涙だけはどうすることもできなかった。

    2023年02月10日 | fiction
  • #Lolita46

    (「あたしの心をめちゃめちゃにしたのはあの人なの。あなたはあたしの人生をめちゃめちゃにしただけ」)。

    2023年02月10日 | fiction
  • #Lolita45

    彼女は両腕を組み、ダッシュボードの上に脚を投げ出した。

    2023年02月11日 | fiction
  • #Lolita44

    そのとおり、彼女は現れた。 私はぐるりと振り向いて、彼女がおずおずとした愚かな笑みを浮かべながら肩に追い立てを振り払った。

    2023年02月11日 | fiction
  • #Lolita43

    私はまた先を急いだ。そしてまた立ち止まった。ついに来るべき時が来た。彼女は永久に去ってしまったのだ。

    2023年02月11日 | fiction
  • #Lolita42

    野蛮なサリヴァンは警告付き。拳銃を所持していると思われる、極めて危険な人物につき要注意。 私の本を映画化したいと思う人がいるなら、ここはぜひ、私が眺めている間に、この顔のうちのどれかがゆっくりと溶けて、私の顔になると言う場面を撮ってもらいたい。

    2023年02月11日 | fiction
  • #Lolita41

    雨が数珠のようにこやみなく降ってはいても、空気はあたたかく緑に染まり、宝石のような光を滴らせている映画館の切符売り場の前には、主に子供と老人から成る行列が既にできていた。

    2023年02月11日 | fiction
  • #Lolita40

    私たちは静かな町を静かに走った。

    2023年02月11日 | fiction
  • #Lolita39

    こっそりとロリータの白い靴下の片方で不貞を働いたとは、この善良なる婦人は夢にも思わなかっただろう。

    2023年02月11日 | fiction